キャパの謎

２月に放送されたNHKスペシャル『沢木耕太郎　推理ドキュメント　運命の一枚“戦場”写真最大の謎に挑む』を見ました。あの有名な「崩れ落ちる兵士」についての検証でした。

知らなかったのですが、この写真にはネガが残っていないということで、今イチはっきりとしないところがある、つまり謎があるということでした。これが本当に戦場で取られたのか？とか果たして本当にキャパの写真であるのか？とか。ぼくなどは単純にロバート・キャパといえばこの写真が思い浮かぶ程度の知識でしたので、驚きとともに大変興味深いものでした。

近年になって、いろいろな技術の進歩などがあって、「謎とされていたものが解明された」などという事を耳にすることがあります。例えば、東洲斎写楽は誰？というのも長年の謎とされていましたが、どうも能役者であろうというのがわかってきたようですし、絵画でも最新のテクノロジーを使って描かれた絵の下絵を発見したり、実はここはこういうふうに書かれていたのを後に書き直したなどなど。

そういえば、シェークスピア別人説や聖徳太子は実在したのか？などもありますよね。世の中はまだまだ謎に満ちているということかもしれません。

ロバート・キャパのこの写真についての謎は推理仕立てということでもあるし、また再放送で見られる人がいるかもしれませんので、詳しくは書きませんが、ひとつの謎が解けてくると、その人の人生の新たな一面までもが浮かび上がってくる。そして、また違った興味の広がりを見せてくれる。そんなことを思わせるドキュメントでした。